鈴木 たかし RESONANCE |Takashi Suzuki
2011 年 12 月3 日( 土) ー 24 日( 土)
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RESONANCE
今まで長い間、何の疑いもなく素直に新作品の制作に向かっていた自分を今はどうも外から見るようになってきたようだ。この数年、自分に変化を感じる。それは作品そのものの問題というより自分が作品に向かう時の精神の問題だと思う。音楽の作曲をはじめたのも、他の角度から自分を観ることで、少し絵画との間をもってみたいと思ったからだ。
私のつくった曲はRESONANCEというタイトルをつけてアルバムとなった。共鳴とか共振という意味である。自分の絵画に求める波動を音楽にレゾナンスさせるような感じでやってみたかった。絵画は瞬間で全体を観ることができるが、音楽は時間の流れで構成されるので瞬間では分からない。イントロがありその波動をエンディングまで如何にうまく導いていくかという音術である。
人間は音楽とか美術の発する波動にレゾナンスすることで影響を受け、それが感動となって現れる。波動はつねに変化する。作品に向かう時は自分をいつもの自分、あるいは理想とする自己の波動を微妙に調整しないといけない。実はその準備の方が作品を造る作業より時間がかかることが多いい。それは別に瞑想して波長を整えることではない。日常的に自分の波動をそのように位置づけておくという意識のようなものである。
一応おおまかに出来上がると、何度も最初にもどり聞き返しながら音階と間を修正していく。絵画の場合はとりあえずグレーを下地に塗ってそれから色のイメージを待つことからはじまる。塗りはじめると音楽のように最初にもどしてもう一度見る作業はできない。絵画は二次元で多次元を表わすことにあるが、音楽は最初から多次元的にはじまり多次元で終わる。絵画で表わせないものが音楽で表わせることもある、同様に音楽で表わせないものが絵画にできることもあるだろう。それは耳であれ目であれ入ってくる波動をいかにうまくRESONANCEできるかの問題だと思う。
                               <鈴木 たかし 2011年10月>