Gallery Yamaguchi kunst-bau

池田啓子｜KEIKO IKEDA

つかのまの現象

　20年近く、光を主題に制作をしてきた。
　光を取り上げたのは、光・空気・音など見ること、触れることも出来ないが包まれている意識（存在）の確かさを形に現したい思いが、特に光を素材に取り上げてきた。制作では形を生成するシステムとして数列を応用した構成を試み、その過程ではモノがどのように見えるのか、また見ることが出来るのかを考えてきた。
　モノとモノとの作り出す陰翳のあやを壁面に描く。
　モノを通過した光がモノを沈め空間に光の形を残す。
　室内に差し込む光の濃淡は、湿度によっても変化をもたらし光に振動を与えリズムを作る。存在（有）と無のあいだの絶えざる生成の変化のうちに、あるようなないような隙間、間を通じて時の光が交じりあう。
　微妙な光の交わりのなかで、空間とモノの境界、深度、質量など光とモノが醸し出す生成と消滅のなかで、「見ること」を通して見えないものを見ようとする意識（想像力）、または見えないものを感じそれを思い考え、あるいは思い考えたものを感じるなかでコト・モノの本質は何か捉え続けてみたい。
　光の作品は絶えず意識化する作業をしていないと、無意識の存在に気が付きにくい。そして昼夜を問わず移りゆく時間（光）のなかで作品はモノではなく移ろいゆく光の空（クウ）なのだと、感じている。
　作品に目を向けるだけはなく、音楽が可聴音域以外の音も体で感じているように、作品への眼差し以外に空間に存在する場の状態の変化を身体、五感すべてに働きかけているのだと感じ取ることも大切なのかもしれない。
　平凡な日常の中で、ゆっくりと丁寧に対象（光）を観察する。それは不思議を感じる美しいつかのまの遊びかも知れない。

池田啓子（2021/11)

english

fleeting phenomenon

　For nearly 20 years, I have been working with the theme of light. In particular, I have been using light as a material because I want to represent in a form the certainty of consciousness (existence) that cannot be seen or touched, but is surrounded by light, air, and sound. In my work, I attempt to create a structure that applied the sequence of numbers as a system for the formation of shapes. In the process, I have been thinking about how objects look and whether I can see it.
　Creating a form with the reflection of the mirror and the shade created by the mirror itself.
　The light transparent through the acrylic strings makes the acrylic invisible, and the light transparent through the prismatic work forms a light work between the wall and the work.
　The shade of light that illuminates the room changes depending on the humidity, giving the light a vibration and creating a rhythm. n the continuous change of creation between existence (being) and nothingness, the light of time intermingles through the gaps and intervals that seem to exist or not exist.
　In the subtle interplay of light, the boundary between space and objects, depth, mass, etc., and the creation and extinction created by light and objects, I would like to continue to grasp what the essence of objects is through the awareness (imagination) of trying to see the invisible through “seeing,” feeling the invisible, thinking about it, or feeling what I think about it.
　It is difficult to notice the unconscious presence of light works unless you are constantly working to make it conscious. And in the midst of the time (light) that changes day and night, I feel that my work is not about objects, but about the transforming light.
　It may be important not only to look at the work, but also to perceive the changes in the state of the field that exists in the space as working on the body and all five senses, just as music feels sounds outside the audible range.
　Slowly and carefully observing an object (light) in the midst of ordinary daily life. It may be a brief indulgence in the beauty of wonder.

（KEIKO IKEDA 2021/11）

1948: 高松市生れ
1971: 大阪芸術大学芸術学部美術学科絵画専攻卒業

1948: Born in Takamatsu City, Kagawa
1971: Graduated from Painting department, Osaka University of Art

webcatalog（web catalogue (Keiko Ikeda)）

展覧会 Exhibition

Japanese
English

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1990: 信濃橋画廊５（大阪）
1989: 信濃橋画廊apron（大阪）
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1974: ギャラリー射手座（京都）
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2008: アートがもたらすプラセボ効果第６回　Gallery H.O.T、大阪
2006: アートがもたらすプラセボ効果第４回　Gallery H.O.T、大阪
2005: City_net Asia 2005　ソウル市美術館、ソウル
2003: Moderate breeze 2003　ギャラリー風雅、大阪
2000: 第３回西脇市サムホール大賞展　西脇市岡之山美術館、兵庫
震災・記憶・芸術　その日にー５年後、　77年後（作歌アンケート展示に、関西地域の美術家43名の１人として参加）
川崎市岡本太郎美術館、川崎
2000-2001: EMA 1・1/12　近鉄百貨店阿倍野店　布忍神社、大阪
1999: 『大阪芸大４期生４人展』　ギャラリーNOVA・自由空間、大阪
1998: Resonant Box KAVCギャラリー、神戸
1996: 二つの視点　'96展ー出合いとその後ー＜絵画、彫刻、工芸、写真＞　阪急美術サロン、大阪
みんな、いつまでも友ー津高和一・泉茂をめぐる作家展ー　　京阪ギャラリー・オブ・ア−ツ・アンド・サイエンス、大阪
1995: 無題　ギャラリー白、大阪
Geミニアチュールの大きな世界展　江寿画廊、京都
1991: Geミニアチュ−ル展　ギャラリー・クオーレ、大阪
1990: いま絵画はーOSAKA'90　大阪府立現代美術センター、大阪
1988: CONTEMPORARY ART IN NUNOSE SHRINE EMAー１２分の1ー　布忍神社、大阪
'89、'90、'91、'92、'93、'94、'95、'96、'97、'98、'99、'00 '88Ge新春小品展　画廊ぶらんしゅ、大阪 '89、'90
FRAME UP EXHIBITION　ギャラリーラ・ポーラ、大阪
1986: Ge＜アクティブな絵画集団＞小品展　大学堂ギャラリー、大阪
1985: 小さなBOX100展（函の中のオブジェなど）　ギャラリー・クオーレ、大阪
Ge特別展　ABCギャラリー、大阪
1984: 池田啓子・近藤敬子・三輪なつ子・森本紀久子　ギャラリー白、大阪
1983: ０号サイズに近い作品展　Galerie You、芦屋
女流版画家７人展−Seven Star展ー　中村画廊、大阪
Geとその仲間たち　西田画廊、奈良
池田啓子・近藤敬子・三輪なつ子・森本紀久子　ギャラリー白、大阪
1982: 迎春Geミニサイズ展　中村画廊、大阪
池田啓子・近藤敬子・森本紀久子　ギャラリー白、大阪
紀壱年茶屋町展　茶屋町画廊、大阪
Ge 「机上の小品」展（正方立体での展開）　中村画廊、大阪
1981: 吉原治良賞美術コンクール展　大阪府立現代美術センター、大阪
６人展　茶屋町画廊、大阪
シルクスクリーン'81　画廊みやざき、大阪　'82、'83、'85、'86、'87、'89、'91
女流版画家７人展−Seven Star展ー　中村画廊、大阪
現代の平面OSAKA青年ビエンナーレ展　大阪府立現代美術センター、大阪第２回架空通信テント美術館　夙川公園、西宮
いま絵画はーOSAKA'81　大阪府立現代美術センター、大阪
1980: “西の記録”展　ギャルリードメーヌ、大津
オークション展　番画廊、大阪
第１回架空通信テント美術館展　夙川公園、西宮
1979: アート・ナウ'79　兵庫県立近代美術館、神戸
グループ２人展　画廊みやざき、大阪
1978: 第１２回日本国際美術展　東京都美術館、東京　京都市美術館、京都
1977: 第13回現代日本美術展　東京都美術館、東京　　京都市美術館、京都
1976: バトルロイヤルアートショー　大阪府民ギャラリー、大阪
プリント・アート23展　ギャラリー射手座、京都
第12回現代日本美術展　東京都美術館、東京
京都市美術館、京都
1975: GE展　大阪府民ギャラリー、ダイコロギャラリー、ABCギャラリー、大阪、
京都市美術館、京都'76、'77、'78、'81、'82、'83、'84、'85、'87、'88、'90、'91、'92、'93、'96
1974: ZUR ZUR '74　ギャラリー観、京都
1973: サマーフェスティバル　信濃橋画廊、大阪
1972: '72展　信濃橋画廊、大阪

Other Sites

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: AKIKO HORIO｜KEIKO IKEDA, Gallery Yamaguchi kunst-bau, Osaka (two persons exhibition)
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2014: LINE - Akio Igarashi | Keiko Ikeda, Gallery Yamaguchi kunst-bau, Osaka (group exhibition)
2009: "Light Work" Gallery Yamaguchi kunst-bau, Osaka (solo exhibition)
2007: " I'm here" Gallery Yamaguchi kunst-bau, Osaka (solo exhibition)
2005: "LIGHT WORK" Gallery Yamaguchi kunst-bau, Osaka (solo exhibition)