川井昭夫|Akio Kawai
2006.11.24(金)- 2006.12.16(土)
1970年代末、ミニマリズムへの独自の返答として、麻布の色に限りなく近づくように絵具を混色して麻布に塗りこんでいく作品を発表。こうした作品において、絵具は麻と同色となることによって色彩としての意味を失いその物質性が際立ち、かえって支持体である麻の植物としてのテクスチャーを際立たせることにも成功した。以後板の木目を忠実になぞり、描かれた痕跡をなくした作品を発表。続いて草の葉を取り込んだ画像を同じように忠実になぞる作品も発表し、作品に残る人為的痕跡を問題にし続けている。また、自然の草に手を加え、円形をなして地面から生えているように配置して、人為性が顕わになるか成らないかの境目の形態をつくり出すインスタレーションなどを手がけ、植物との関係性をさまざまな手法で作品に反映させている。現在富山県在住。(2003年みどりのちから 日本近現代絵画にみる植物の表現 カタログより)
今回は近年取り組んでいる「叢」のシリーズの発表。パネルに油彩、そしてポリエステル樹脂を用い、草を写実的に描き静思感を漂わす絵画を数点展示する。